2泊3日でシアトルの知り合いのお宅まで行ってきました。 シアトルまでは車で4時間近くのドライブ。 バンクーバーから高速で1時間。まず見えてくるのは第一関門ともいえる国境のゲート。 ここで入国審査を受けなくてはならない。 8ヶ月前の空港での審査を思い出し、ついつい無口になる車内。 頭の中ではあらゆる質問を想定し、答えを考え、イメトレを繰り返す。 見た目は高速道路の料金所と同じ、出すのはお金ではなくパスポート。 日程や目的など簡単な質問をされ、促された場所に車を止め、降りてオフィスへ。 扉を開ければ待ってました、この雰囲気。 みんなこわばったような面持ちで並んでいる。 そしてこれまた必ずといっていいほど会う、不安げな日本人仲間。 今回の人は特に顕著で、かすれた声で何事か話しかけてきた。 どうやらツアーバスの乗客のようだ。 答えるこっちも平静を装ってはいるが、内心他人のことまで構っていられない。 やがて彼らのグループは呼ばれるままにカウンターで調べられ、指紋と角膜?をチェックされ、
オフィスを出ていった。単に国境を通過するためにきただけなのに、なんだろうこの連行されて いくかのような彼らの背中は。 静まりかえった室内に2歳の娘の「おしっこ~!」という声が響き渡る。 しばらくごまかしていたが、意を決して監査官に "Can I use the restroom?" 何やら言われたがよく分からず、聞き返せないまま「多分使えないってことだろうな」と 自分に都合のいいように解釈する。相変わらずの小心者。 程なく呼ばれ、家族全員カウンターの前へ。 案の定、監査官はニコリともしない…… かと思われたが一瞬、娘に向かって微笑みかけたのを私は見逃さなかった !! この人いい人だ !! たかだかこのくらいのことでその人が仏様のように見えてしまう事からも、 この場所がいかに緊張感に溢れているかがお分かりいただけよう。 かくして無事にチェックも終わり見事無罪放免、ホッとして建物の外へ出て娘のトイレを待つ間 携帯をチェック。 と !! ポンポンと肩を叩かれ振り向くやいなや、防弾チョッキで完全武装した警備員にサッと携帯を 取り上げられ、「何してる」。しどろもどろで答える間に通信履歴をチェックされ、 「ここではあらゆるところで携帯は使えないよ」と返された。 こっ怖かったぁ~…… まさか最後に来るとは。流石にここまではイメトレしてなかった。 とにかく最大の関門を突破して、僕らは無事アメリカの地に足を踏み入れたのでした。 〈後編に続く〉 コメントの受け付けは終了しました。
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Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
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