先日完成した「Meltdown」がバンクーバーで初のお披露目です。 日本へ送る前にせっかくだからとWest Vancouver Museumの方の好意で、 一ヶ月間展示をさせてもらう事になりました。 展示が決まってからは新聞、雑誌など各方面へのお知らせや、 作品の撮影の依頼などにわかに慌ただしい毎日。 Museumの方がこちらのコネクションを使って色々な方面に宣伝して下さったおかげで、 いくつかのメディアから取材も受けました。 僕としてもこの2年間で知り合った人等に個人的に案内を出したり、オープニングの日にむけて 英語の練習をしたりと、初めてのバンクーバーでの展示にいささか緊張しながらも充実した毎日です。 そしてあっという間に迎えたオープニング当日。 今回は僕の個展ではなく、新作と「領域」という作品の版画を合わせた計2点だけの小さな展示ですが、 それでも実にたくさんの人々が見に来て下さいました。 全く初めての人からひさしぶりに会う懐かしい人、日頃仲良くしている友達によく行くお店の店員さん….… 思えば約2年前の今頃は、全く知らない国に家族3人、知り合いもおらず、言葉も分からず、 文化や街並にも馴染みがなく、まさにゼロからのスタートでした。 到着当日の入国審査。ホテルで食べた日本から持ってきたおにぎりの味。 どきどきしながら入ったカフェでの最初の朝食。雲間から射してきた陽射しではじめてほぐれた緊張。 忘れられません。 それが今ではこんなにたくさんの人が僕の周りにいて、話しかけてくれる。 思えばちょっとずつちょっとずつ、日常を積み重ねていく僕の絵同様、 ここでの世界は広がってきたんだなと気がつきました。 この新作も、この人達との出会いも、ある意味この2年間の集大成です。 日本での展示に比べれば規模や来場者数は比べるべくもないですが、 今、目の前に映っている光景はこれまでの自分達の足跡そのもの。 そんな事を思いながら胸がいっぱいになりました。 コメントの受け付けは終了しました。
|
Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
Categories |
Copyright © 羽鳥書店. All Rights Reserved.