『ユリイカ』2018年9月号(8月27日発売) 特集*濱口竜介――『PASSION』『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』…映画監督という営為 この特集号では、濱口監督の前作『ハッピーアワー』について1冊を書き下ろした三浦哲哉さんが、監督の次くらいに(と言いたくなるほど)大活躍されています。目次を見ただけでもお名前を抽出すると、以下のように登場されています。 ■対談 「さいわいなことに、濱口さんも役者が好きなんです」――『寝ても覚めても』をめぐる三つの問題点 / 濱口竜介+蓮實重彥(取材・構成=三浦哲哉) ■『寝ても覚めても』と〈映画〉 串橋がチェーホフの戯曲の一節を暗唱するとき、ひとり驚いていない朝子の目 / 三浦哲哉 ■トークイベント再録 『ハッピーアワー』論の奇妙な冒険 / 濱口竜介+三浦哲哉 ■インタビュー――『ハッピーアワー』を録る 特別な瞬間の響き / 松野泉(聞き手・構成=三浦哲哉) 濱口監督の新作『寝ても覚めても』は9月1日より上映が始まっており、満席が相次いでいるようです。新作をぜひ映画館で楽しんでいただき、前作『ハッピーアワー』をまだご覧になっていない方はぜひBlue-rayで見て堪能し、そして、三浦哲哉さんの渾身の書き下ろし『『ハッピーアワー』論』を読んでみてください。 この号には、蓮實重彥さんが濱口監督をインタビューされています。
「さいわいなことに、濱口さんも役者が好きなんです」――『寝ても覚めても』をめぐる三つの問題点 / 濱口竜介+蓮實重彥(取材・構成=三浦哲哉) また、蓮實さんは、『新潮』2018年10月号(9月7日発売)に『寝ても覚めても』論を寄稿されています。 選ぶことの苛酷さについて――濱口竜介監督『寝ても覚めても』論/蓮實重彥 蓮實さんは、いま日本映画は第三期黄金時代を迎えていると言います。その代表格に、濱口竜介さんほか、三宅唱さん、小森はるかさんなどが挙げられています。三宅唱監督も新作『きみの鳥はうたえる』が公開されたばかり(9/1〜)。この『新潮』にも「貧しさと眩しさ――『きみの鳥はうたえる』について/三宅 唱」を寄稿されています。 濱口監督『寝ても覚めても』と三宅監督『きみの鳥はうたえる』は、『NOBODY』issue47 特集:「映画の絶対的な新しさのために」の2大特集としてとりあげられており、小森はるかさんも寄稿。なおかつ、三浦哲哉さんの『ハッピーアワー論』をめぐるインタビューも掲載された、非常に濃い内容となっています。これからの日本映画をひもとく貴重な一冊! そして、日本映画の第三期黄金時代を支える映画監督や映画評論家が、工藤庸子[編]『論集 蓮實重彦』に集結していることも見逃せません。2016年、蓮實重彦さんの『伯爵夫人』が三島由紀夫賞を受賞した直後に刊行された本書は、蓮實重彦の大いなる影響を受け、ただし、直接の教え子ではない「27名の非嫡出子」による論集です。上記で紹介した方々だけでも、以下のような文章を寄せてくださっています。 映画からこぼれ落ちそうになる男/三浦哲哉 遭遇と動揺/濱口竜介 胸の高鳴りをおさえながら/三宅 唱 眼差しに導かれて/小森はるか 追記(10月5日):『論集 蓮實重彦』では、映画監督の執筆者に、なんとペドロ・コスタ監督も。映画批評・映画研究では、三浦さん以外にも、クリス・フジワラさん、エイドリアン・マーティンさん、リチャード・I・スヘンスキさん、イム・ジェチョルさん、入江哲朗さんと、すごいラインナップです。 『ユリイカ』特集=蓮實重彦(2017年10月臨時増刊号)とあわせて、必読です。もちろん、工藤庸子・蓮實重彦『〈淫靡さ〉について』も併読することをおススメします。 コメントの受け付けは終了しました。
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