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​​羽鳥書店からの便りをつづります。刊行物に関わるパブリシティやいろんな情報、できごと、製作中の書籍のことや新刊の刊行予定なども。本づくりの雑多な日々のなかで触れることができたさまざまな出来事なども、折々に少しばかり記してみたいと思います。

大江健三郎論 #人文学の遠めがね #論集 蓮實重彦

9/22/2018

 
前回ご紹介した『論集 蓮實重彦』の編者である工藤庸子さんは、当サイトで「人文学の遠めがね」を連載中です。その第11、12回、13回の3回に分けて「大江健三郎と女性」と題した論考を寄せてくださいました。

11. 大江健三郎と女性(1)──contemporaineであるということ
12. 大江健三郎と女性(2)── 政治少年のéjaculation
13.  大江健三郎と女性(3)──「全小説」とfictionとしての「小説家」」

第11回の冒頭を少し引用します。

​ フローベールを語らずしてフランス第二帝政を語れるか。プルーストやコレットぬきで第三共和政を描けるか。ウルフを視野に入れずに女性と文学という主題に接近できるのか。だとしたら? そう、大江健三郎を恭しく棚上げにしたまま、日本の戦後を展望できるはずはありません。昭和と平成を束にして生きぬいた作家の「全小説」の刊行が、この7月に始まり、元号の改まった年の秋に完結するとのこと(元号などは無意味な作為だと切って捨てられぬ精神風土や論争が、じっさい日本にはあるのだから、なおのこと)。『読売新聞』はじめ大手日刊紙が著名な作家や評論家のエッセイを掲載し、『群像』8月号には「筒井康隆×蓮實重彦対談」が組まれています。この対談で提示されたキーワード「同時代人」を手掛かりにしたいと思うのですけれど‥‥‥。
 とはいえ「あなたは大江健三郎の同時代人ですか?」という問いが、わたしに向けて発されることは、およそ想像すらできません。大江健三郎と対談参加者、これら御三方はほぼ同年齢。それより10歳近く年下ではあるものの、ここで年齢差は理由ではなくて、そもそも「同時代」などという大仰なものについて女性が真剣に考え語ることは、絶対的に期待されない社会の片隅で、昔のわたしは生き始めたという自覚があるためでしょう。
 「あなたは大江健三郎のcontemporaineですか?」という問いであれば、話は別、という気がします。わたしにとって外国語の語彙を習得することは、日本社会の厳めしさ、居心地の悪さからの脱出であり、解放の経験でもありました。contemporaineというのはプルースト『失われた時を求めて』からの借用です。(
‥‥‥)

 「大江健三郎と女性」というテーマで読み解く刺激的な大江論。つづきはぜひ連載ページをお読みください。また、冒頭取り上げられている『群像』8月号に掲載された「筒井康隆×蓮實重彦対談」は歴史的かつ貴重な対談です。こちらもぜひ!

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