2014年春。メロウド漁が始まりました。 仙台沖での漁を終え、女川港へ戻ってくる漁師さんの船、金宮丸です。 喫水線から大漁がうかがえます。ペンキ塗り中の金宮丸の姿と比べると、この日のメロウドの重みがずっしりと伝わってきます。 水揚げしたメロウドは5トンでした。 7.8トンまで積める金宮丸。海原を分け行く速さは22ノット。時速約40キロです。 午前2時に仮設住宅を出て、港へ戻ってくるのは午後3時ごろという長時間労働。帰りの航海中は「眠気が襲ってきて海へ落ちそうになる」と苦笑しながらも、豊漁に漁師さんの表情ははつらつとしています。 ところが、このあとから不漁がつづきました。自宅再建はこれから。3人の子の教育費も要ります。不安が募ります。「なんぼか奨学金があれば」。嘆きも漏れます。「土日にシラス捕りに行ってみたいんだ」。ですが、高校生の兄と中学生の妹の部活の送迎もあります。保育園児の末っ子を一人残して出かけるわけにもいきません。 綱渡りがつづきます。 |
Author小野智美(おの さとみ) Archives
3月 2019
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