〈前回より続く〉 スコアは4-0の完敗。 今回もスタンレーカップは、バンクーバーには来ませんでした。 そして恐れていたことが起こってしまった。 試合内容に憤慨した一部のファンが暴徒と化し、車をひっくり返し、商店の窓ガラスを叩き割って 商品を略奪し、パトカー数台に火を放ち、人を殴り……刺し…… それはあっという間の出来事でした。 人々がひとつになって応援していたスポーツ観戦が一転、 警察の機動隊が繰り出し、催涙スプレーや警棒で暴徒と揉み合う事態に。 それを撮影する野次馬、あるいは恐怖でパニックになる人達で現場は大混乱に陥り、 あの平和で静かな街が戦場のような惨状に。 ニュースは遅くまで暴動を中継し、家の窓からも黒煙が見えました。 それにしてもこんなに簡単に暴動が起こるとは。 日本では考えられない出来事に、改めてここは外国なのだと痛感しました。 これまで数ヶ月、 この異民族だらけの街で人々がカナックスというチームを通じてひとつになるということが とても清々しく、楽しかっただけに、この結果はとても残念だった。 暴徒が一握りの人間であったとしても、この都市には色々な顔があるのだということも知った。 翌朝、街に出かけてみるといたるところに焦げ跡やガラスの破片が散乱していたが、 騒ぎは前夜のうちにおさまり、街はいつもの平静さを取り戻している感じ。 商店の割られた窓には臨時でベニヤが打ち付けてあり、人々がそこにメッセージを書き込んだり、 大勢の人がボランティアで清掃したり落書きされたものを塗り直したりしている。 道路には人々からのメッセージで一杯になったパトカーが一台停められていた。 翌日にはベニヤはメッセージで埋め尽くされ、その前ではちょっとしたライブが行われたりして 観光名所の様になっている。 市民みんなが今回の暴動に心を痛め、協力して復興しようとしているのがよくわかる。 それにしても驚くべきはそのスピード、行動力。 怒りを暴力で表現するのも、悲しみをメッセージに込めるのも、清掃活動も。 まさに考えるよりまず行動、である。 メッセージをよく見てみると、中国語やアラビア語などもところどころ見受けられるものの 、 日本語は見つけることができませんでした。 ここでも日本人の無関心を装う特徴が出ているのでしょうか? あるいは英語でメッセージを書かれているのかもしれませんが。 でも何よりそれは自分に言える事で、暴動を残念だと思いながらも清掃活動もしなければ 結局メッセージも書かなかった。 いや、正直にいうと書こうと思ったけどどう書いていいか分からず、 書いてる行為が大げさな気がしたり、直接自分には関係ないしと言い訳したり、 気恥ずかしかったり…… そのくせ、「なんだ日本人はやっぱり消極的だな」と思ってしまったり! ああ~最低……! 書いてて嫌になってきた。 つまりは自分こそが無関心な日本人の典型的なタイプなわけで。 こっちの人なら残念だと思う気持ちがあったなら一言「残念だ」と書くと思う。 行動を起こすもっともな理由をあれこれ考える前に。 何か自分が思ったら声を上げ、行動に起こす。 僕に絶対に欠けているものはそれです。 これからの日本を良くしていくためにも自分の為にも、努力せねばと思います。 コメントの受け付けは終了しました。
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Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
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