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​​バンクーバー日記は2013年8月に62便にて終了いたしました。ご愛読いただきありがとうございました。
アメリカ・ウィスコンシンへと場所を移し、「マディソン日記」を連載中です。

第9便 アーティスト

3/28/2011

 
3. 11の震災以降、ずっと考えていました。
 
日本のこと。
これまでの日本。
日本のこれから。
そして自分には何が出来るのか。
 
 
皆がこの命題に取り組んでいるのが分かります。
 
各方面でいろいろな支援の輪が広がっています。
 
僕自身、いや、おそらく海外に住む日本人は皆、遠く離れた場所にいて、余震や放射能の
恐怖など全く関係ない生活をしていることが申し訳ないような、はがゆいような
気持ちで一杯だと思います。
 
僕も出来ることなら自分も日本に駆けつけて、支援活動をしたい。
ボランティアとして汗を流し、皆を励ましたい。
日本にいて、思いを共有してひとつになりたい。

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第8便 ニューヨーク後編

3/25/2011

 
ニューヨークはすごい!
 
噂には聞いていたけど、百聞は一見に如かずとはこの事!
ゴミ、騒音、ビル、人、文字、色、におい、落書き、車、全てがごちゃごちゃで刺激的!
これまでのバンクーバーの生活がウソみたい!
同じ都市でも、東京とは人間らしさというか人間臭さというか、そういうものにおいては
比べ物にならないくらい全てが人間丸出しで、見てて飽きない!
 
人の行き交う大通りで運転席のドアを開けて放尿してるおっさん!
タクシーに乗ったはいいがドアの閉め方が分からずオロオロしてる観光客に「頭を使え!」とまくしたててる運転手!
これでもかというほど店内を埋め尽くしている新作のスニーカー!
路上に散らばるゴミ!
壁一面のアート!
 
他の街ならNGでもここならOKという街の雰囲気に圧倒されて、都会が嫌いな僕らも気づけばニューヨークの虜に。
人間って面白いなぁ!と初めて思った街でした。

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第7便 ニューヨーク前編

3/25/2011

 
3月11日の地震以来、ニュースでもインターネットでも繰り返し流され続けるショッキングな映像、
そして日に日に明らかになっていく絶望的な被害の内容。
 
パソコンの前に釘付けになり、とめどなく溢れてくる情報にかじりついては不安を募らせ、
ただただ大変な事が起きてしまったという現実に、何もやる気が起きない日が続きました。
 
こんな時にアートなんてただの娯楽。
そんな娯楽よりも今は日本の為になるような何かを探すべきなんじゃないか……とか。
自分だけ国を出たことに申し訳なさを感じたり……とか。
 
 
雨の中、部屋に閉じこもって災害情報を聞いてても気が滅入るだけだからと外に出るが、
歩く人々は皆外国人。彼らはいつもの様に日常を送っている。
情報の渦の中に入り込み、気持ちが日本に飛んでしまっている僕には、ドアを開けたその先の世界がカナダであり、
目の前の風景には地震の面影などつゆほどもなく、ついさっきまで聞いていたあの惨劇はここでは遠い外国の話題
というギャップにかなり混乱し、はがゆさと同時にどうしようもない疎外感を覚えました。

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第3便 雨

3/12/2011

 
バンクーバーに来て驚いたことの一つは雨でした。
 
毎日毎日雨が降ってるんです。
土砂降りはないものの、小雨が降ったり止んだり。
なんでもこの時期は雨期で、11月から3月くらいまではもうずっと雨なのだとか。
 
日本の梅雨とは比べ物にならないくらい降水量が多くて、記録では40日間降り続けた年もあったみたい。
 
そんなイメージなかったなぁ。
てっきり雪、もしくは薄曇りの空かと。
 
でもこの小雨というのが微妙で、傘を持っていくほどでもなさそうだし、かといって手ぶらで出たら絶対濡れるし……
 
それで街に出てみたら
あれ?
誰も傘をさしていない。

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第4便 量!

3/12/2011

 
さすがカナダ、国土も広いが物もでかい!
ということで今回は量について。
 
とにかくなんでも大盛り、超盛りです。
例えば肉。スーパーのパックぎゅうぎゅうに詰まってる!
日本の肉はどちらかというと少ない量を薄く伸ばす事で多く見せてるのに対し、こっちでは有り余る量を
入るだけ入れる!みたいな。こんなに苦しそうなラップを見た事がありません。
牛も豚も鶏もとにかくいっぱい入って大体5~10ドルくらい。中には3ドルなんてのも。
 
お惣菜もファーストフードもスタバ(シアトルが近いからか、東京のコンビニ並みによく見かけます)もすべて大盛り。
牛乳やジュースもどでかいボトルに入ってたりもして、人間の飼料みたいな錯覚に陥る事も。
 
因みに日本のお土産でカナダ人にすごく喜ばれるのは、カップラーメンのミニと、缶ビールの小さいやつ。
さすが日本、ここまで小さいか!と大笑いされるみたいですよ。
 
でかいといえば車もでかいですね!
最初に空港でリムジンをみて、さてはどっかのセレブが!と思ったのですが意外とよく見かける。
リムジン並みに長い車も沢山あって、ここではそんなに特別なものではないみたい。
 
でも最も驚いたのはゴミ収集車でした。

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第5便 ピンク

3/12/2011

 
今僕が住んでる所はDavie Street という通りにある高層アパートです。
 
このアパートに決めた理由は、僕がベルリンの展覧会に行った時にカナダの方と知り合い、
偶然にもその人のお母さんがバンクーバーにいくつかアパートを持ってらして(!)、
友人ということで特別に安く貸してくださったからなんです。
 
縁とはほんとにありがたいものです。
 
その通りは飲食店やスーパー、家具屋さんなどが並ぶにぎやかな通りなんですが、
なぜかその中にいくつかアダルトショップ的なものがある。
しかも男同士で抱き合ってる看板や雑誌まで。
 
ほ~さすがカナダ、アダルトグッズもスーパー等と並び日用品扱いってことか……
と感心したりしてましたが、
 
あとから仕入れた情報によると、この通りはゲイの人たちが多く住むエリア、新宿3丁目みたいなとこだったのです!
 
がぁ~ん!!

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第6便 地震

3/12/2011

 
11日に起きた大地震、被災された方も大勢いらっしゃると思います。
また直接ではなくとも、両親や知人が被災地におられるなどして心配なさった方も多い事でしょう。
皆様のご無事と、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
 
ここカナダでも地震の様子はリアルタイムで放映され続け、津波が車や家屋を呑み込みつつ
田んぼに押し寄せてくる映像が繰り返し流れていました。
その映像のあまりの衝撃に息が止まる思いでした。
 
日本から遠く離れた外国で、祖国が大災害に見舞われている映像を見るという事が、
これほど辛く、哀しい事だとは思いもよりませんでした。
自分は直接宮城や福島の街を訪れた事はないので、そこは本当は知らない土地なのだけれど、
 
呑まれていく車が、樹が、家が、田んぼが、自分が慣れ親しんだ日本そのもののように思えてならず、
日本全土が沈んでいくのを見ているようで、ただただ体が震え、茫然自失でした。
 
たぶん日本にいた時にはこのような気持ちにはならなかったと思う。
離れていることで、祖国への強い思いが自分にも眠っていたのだという事実にも衝撃を受けました。

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第2便 入国審査

3/9/2011

 
さて約9時間のフライトを終えようやくバンクーバー国際空港に降り立った僕ら。
最初に待っていたのは入国審査でした。
 
僕は東南アジアには何度か行ったことがあり、4か月近く一人で旅行したこともある。
最初はものすごく緊張したけど、空港に着いた途端腹が据わり、いい意味で開き直って英語を話し、
「ああ俺って意外と度胸あるじゃん!」なんて思ったりしたのですが、
 
しかしここではすっかりビビってしまってる!
 
アジアでは、下手な英語同士、通じなくても笑顔で結果オーライ!
て感じがあったんだけど、
ここは本場。
スキーでいえば超上級者の急斜面コースにボーゲンの僕が放り出されたようなもの。
それですっかりおじけづいちゃったんです。
しかもこっちの人ってアジア人と違ってなんか親しみがわかないし。
 
自分と同じくらいの人の中では奔放に振る舞うけど、
うまい人達の中に入ったら急に弱腰になる俺って……小者……。

「いいじゃん下手なんだからどーんとぶつかれば。分かってくれるよ!」
僕とは真逆に、物怖じしない妻を見ながら、そんな自分の新たな一面を発見したのでした。

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第1便 いざバンクーバーへ

3/4/2011

 
こんにちは。池田学です。
1月25日から約1年間、文化庁の芸術家海外研修制度で、家族3人バンクーバーに来ています。
ここで感じたことや見たことなど、時々書いていこうと思います!
 
まず最初に、どうしてバンクーバーなのか。
 
理由はいろいろありますが、一番はやはり、自分の絵のテーマに重なる部分が多いという事。
僕は自然界と人間界の関わりをテーマに制作しているんですが、大都市と大自然が隣接している
場所がどういう景色をしていて、そこで暮らす人たちがどういう形で自然と向き合っているのかを
この目で見てみたいと。
 
そして日本とはまったく違ったスケールの自然。
僕はどちらかと言うとこまごました日本の山や川が好きで、どーんと視界の開けた海なんかは退屈しちゃうんですが
(視覚的になにも無いから)、じゃあカナダ位でっかい自然を見てもやっぱり何も感じないのか。
それとも震えるくらい感動するのか。

多分きっと感動するんじゃないかな……
なんというか空間の深さに。

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 池田学のバンクーバー日記 | 目 次 |

3/1/2011

 
第1便~
 1  いざバンクーバーへ
 2  入国審査
 3  雨 
 4  量! 
 5  ピンク

第6便~
 6  地震 
 7  ニューヨーク前編
 8  ニューヨーク後編
 9  アーティスト
10 スタジオ

第11便~
11  靴
12 ゴンドラ
13 車
14 交通ルール
15 ウィスラー

第16便~
16  色
17 スタンレーカップ
18 暴動
19 サーモン
20 岩!

第21便~
21 夏
22 世界最難
23 フェスティバル
24 パレード
25 「漂流者」

第26便~
26 ゾンビ
27 夕暮れのビーチ
28 花の街
29 ブルーベリー
30 シアトル前編

第31便~
31 シアトル後編
32 サケの遡上
33 釣り後記
34 報告
35 チャイナタウンのスタジオ

第36便~
36 季節感
37 Culture Crawl
38 もう一つの顔
39 カウントダウン
40 消えた街

第41便~

41 ビザ
42 VACANCY
43 贈り物
44 ベッドバグ事件
45 山と雲

第46便~

46 ロードトリップ〈前編〉
47 ロードトリップ〈中編〉
48 ロードトリップ〈後編〉
49 ロードトリップ〈番外編〉 
50 ウィスコンシン州

第51便~

51 海辺のスタジオ
52 カナディアンロッキー
53 仕事と言葉
54 Meltdown
55 作品展示

第56便~
56 メディア
57 救急病院
58 交差点にて
59 病院2
60 初夏、日本
​
第61便~62便
61 快適さ
62 自分の周囲 <最終便>

    Author

    池田 学(いけだ まなぶ)
    画家。1973年佐賀県多久市生まれ。98年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。2000年同大学院修士課程を修了。 2011年1月25日より1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。バンクーバーへは、奥さんと2歳の長女も同行。2012年3月に再渡航。2013年夏にはアメリカ・ウィスコンシン州マディソンに場所を移し、美術館で滞在制作を開始。

    『池田学画集1』 
    ミヅマアートギャラリーの作家紹介

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