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​​バンクーバー日記は2013年8月に62便にて終了いたしました。ご愛読いただきありがとうございました。
アメリカ・ウィスコンシンへと場所を移し、「マディソン日記」を連載中です。

第32便 サケの遡上

11/21/2011

 
先日まで暑かったバンクーバーも10月に入り、気温も急激に下がって
再び長雨の季節に入ろうかというところです。
毎日重苦しい雲に覆われ、週刊天気予報も見事なまでの曇りマーク。
ただしこの時期は予報が難しいのか、朝方曇っていても午後は晴れてきたりして、
嬉しいサプライズがあることもしばしば。
なんとかこれが冬まで続いてくれればいう事ないのですが。
 
さて秋といえばサーモンの季節!
フィッシングが大好きな僕にはたまらないシーズンの到来です。
太平洋から様々な種類のサーモンが続々と川を遡ってきています。
ざっと紹介すると、
チノックサーモン(キングサーモン)、
チャムサーモン(鮭)、
ソッカイサーモン(紅鮭)、
コーホーサーモン(銀鮭)、
ピンクサーモン(カラフトマス)。
特に今年は2年に1度のピンクサーモンの当たり年という事で、川に入れば
もう足の踏み場もないほど(?)にひしめき合っていてビックリ!
しかもそれぞれが60センチ以上の超大物というのがThe Canada といったところ!
よく子供の頃に浅い川や海をじゃぶじゃぶ歩いていて、小魚が自分の周りを
逃げまどうのを見て、無性にワクワクしたものですが、それがここでは
このサイズの魚たちによって繰り広げられる訳ですからその興奮たるやもう ! !
 
なんせ子供の頃の僕のスケッチブックは釣魚図鑑を見ながら描いたサーモンでぎっしり。
中でもピンクサーモンはその形から、最も憧れる魚の一つでしたから!
夢にまで見たこの日が実際にやってこようとはその時は思いもよらなかったなぁ ! !
 
川幅は広く、中には1メートルを超すキングサーモンもいるとあって終日地元の釣り人が竿を振っています。
 
僕も込み上げてくる興奮をこらえつつ、彼らにまじってキャスト!
ウキを見つめる事、数十秒……
 
いきなり水中に消えるウキ!
 
とっさに合わせた竿から伝わってくる、魚が暴れ回る感覚 ! !
とにかく重い ! !
悲鳴をあげてしなる竿を持っていかれないように踏ん張っているのがやっと ! !
 
そして数分間の格闘の末、水中からゆらりと姿を現したのは、まぎれもないピンクサーモン ! !
やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ ! !
 
感動と興奮覚めやらぬまま、目の前に横たわるサーモンをしばし凝視。
この顔つきに、背中の盛り上がりに、どれほど心を掻き立てられたことか……
そして一言いいたかった。
「ずっと好きでした。」と。
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(写真:上の派手なのがオス、下がメス)

…と、まぁここで終わっていれば美談なのだが、それから先がちょっとありまして。
 
とにかくうじゃうじゃいるもんだから、釣れるわ釣れるわ。
しかもその盛り上がった背中に針が引っかかって釣れてくるのがほとんど。
それでいて魚体がデカイから疲れるのなんのって!
最後はちょっとめんどくさくなる始末。
その形も子供の頃は好きだったけど、今はちょっと大味すぎるというかなんか派手すぎるし……
 
憧れてた先輩が付き合ってみるとなんか意外にそうでもなかったみたいな。
 
 
う~ん。
憧れってむずかしいなぁ。

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    Author

    池田 学(いけだ まなぶ)
    画家。1973年佐賀県多久市生まれ。98年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。2000年同大学院修士課程を修了。 2011年1月25日より1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。バンクーバーへは、奥さんと2歳の長女も同行。2012年3月に再渡航。2013年夏にはアメリカ・ウィスコンシン州マディソンに場所を移し、美術館で滞在制作を開始。

    『池田学画集1』 
    ミヅマアートギャラリーの作家紹介

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