つい先日、「Culture Crawl」というイベントに行ってきました。 これはバンクーバー中のアートスペースを3日間一般開放して、 自由にスタジオ見学や作品鑑賞、購入までできるというもの。 スタジオは街中に100箇所近く点在していて、中身も実にさまざま。 スペースは100人以上が所属している元工場だった大きなものから個人の家の一室まで、 職種も画家、彫刻家に工芸家、内容もアクセサリーや映画のセットに特殊メイクまでと幅広く、 お目当てのスタジオ目指してガイドマップを手にした人々で通りは大賑いでした。 僕も早速マップをもらい、地元のアーティストに教えてもらったお薦めスペースに。 まず一つ目は最大手、100組以上のアーティストが所属する大型スタジオ。 外見はまるで工場。 中にはいると薄暗く曲がりくねった通路が迷路のように続き、所狭しと作業場が並ぶ。 部屋も日当たりのいい大きな個人スペースもあれば、 3、4人で仕切りをしてシェアするものまであり、広さも用途もさまざま。 今回は一般開放ということでほとんどのアーティストは作品の展示に空間を使っていたので 制作中の風景を見ることはできなかったけど、雰囲気はよく伝わってきました。 作品自体のレベルも幅広く、日本ではアーティストというとそれなりに専門的にやってる人を 言いますが、こちらでは何かを作ればそれでみんなアーティスト、 趣味で楽しんでる人がほとんどかなという印象。 似たようなスタジオを数軒まわり、パン屋さんだった建物をアーティストが買取って 再利用しているという場所へ。ここの空間は気持ち良く、アーティストも10人前後。 作品もおもしろく、とくに航空機の部品と木を組み合わせて家具を作るアーティストの スタジオは町工場そのもの。所狭しと並ぶ飛行機の翼やプロペラが一種異様で楽しく、 時間があればもっといたい場所でした。 その後もアーティストしか住むことのできない住居兼スタジオのビルや、 隣の台所では料理している旦那さんが見えるような完全に個人の自宅まで、 いろいろ見学してこのツアーは終了。 作品はともかく、環境が羨ましい!と思わせるスタジオの多い事。 バンクーバーの物価は高く、スタジオを借りるのにも毎月結構な額を払わないといけない この街において、どうしてこうも多くの人達が制作場所を持つことができるんだろうか というのが一番の疑問でした。 後から聞いたらほとんどの人は他に定職があって、その給料で場所を借りているとのこと。 そうかそれなら頷けます。 ここでもアーティストという言葉のイメージが邪魔をして、作品だけで生活していると 思い込んでたもので。 それに加えてカナダ人は貯金を全くしないとの噂。 あったらあっただけ使ってしまう文化らしいです。 1億や2億の家がぽんぽんあるのも、みんなローンで買って、住まなくなったら売ればいい との考えからだそう。しかも売れるらしい…… いやはや日本との違いを実感。 コメントの受け付けは終了しました。
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Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
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