ちょっと前になりますが、今シーズン最後のスキーにと家族でウィスラーに行ってきました。 5月といえど雪は豊富で、最高の天気のもとスキーを楽しみました。 宿泊はインターネットで見つけたB&B(Bed&Breakfast)、日本でいうとペンションみたいなところで、 ホテルに比べて安い上に、その家の朝食も楽しめるというナイスな宿。 部屋はベッドやクッション、小物に至るまでカントリー調でまとめられていて快適、 朝食もキッチンに宿泊者みんなで集まり、お母さんの作る手料理を囲んでワイワイ 楽しくいただきました。 本当に楽しい2日間でした。 ……ところがその2、3日後からなんです。妻の手足に発疹ができ始め痒がりだしたのは。 もともと肌が繊細で食べ物や乾燥で発疹ができやすいので、 最初はあまり気にも留めてなかったのが、ちょっとこの感じはいつもと違う。 さすがに気になって病院に行くと、診るなり先生から「ベッドバグですね」との宣告。 ?? なんですかベッドバグって ?? 塗り薬と診断書を貰い、家に帰ってさっそく調べてみると、
和名「南京虫」もしくは「トコジラミ」 布団やベッドの木枠、ソファなど人間の近くに潜み、夜になると出てきて血液を吸う虫。 よくアジアの安宿なんかにいる奴だ! それにしてもトコジラミって……なんて嫌な名前……。 ネットで調べると出てくる出てくるベッドバグについての記事、写真。 驚いたのはバンクーバーはじめ北米ではこの虫が社会問題にまでなっているとか。 というのもこのベッドバグ、一度出たら全て除去するのは非常に難しい。 なぜならベッドマットの奥や木枠の中、コンセントの中にまで入り込み、 毎日500個以上の卵を産み続け、成虫になると数ヶ月血を吸わなくても生きていけるという 生命力の強さで、除去したように見えても卵や幼虫が残っていることが多いからです。 古い建物やホテルなど、人の出入りするところにいて、衣服やリュックにくっついて移動し そこで大量発生することも多く、ニューヨークでは店で発生して潰れたブティックもあったとか。 僕らも十中八九、ウィスラーのB&Bでやられたと思われ。 幸運にも僕と娘は何もなく、肌の弱い妻だけに症状が出てしまったのです。 ベッドバグが出たらそれはもう悲惨で、あらゆる寝具は破棄。ベッドもソファも。 衣類はできるだけ破棄、もしくは洗濯、乾燥機を繰り返し卵を殺す。 衣服を冷凍庫にいれて凍らせるという手もあるそうです。 洗濯してもまた入ってくるのでそれぞれ密封した袋に入れて保存。 そして毎日掃除機をかけ、業者に依頼して駆除の薬を撒いてもらう。 それでもなかなか駆逐は難しいのです。 バンクーバー市では、ベッドバグに刺されたという診断書を持っていけば、そこのアパートの 大家さんは自費で業者に頼んで駆除しなければならないという決まりがあるそうです。 またベッドバグMapというのも存在し、過去にバグが出たアパートは赤く印がついていて 新しく部屋を借りる人はそれを参考にできます。 驚いたことにダウンタウンはほぼ真っ赤っかでした…… 僕らの住んでいるノースバンクーバーはそれほどでもなかったのですが、隣のアパートは 印がついていて驚きました。 うちの場合はホテルで刺されたと思われるので、現時点ではそこまで大事ではないかも しれませんが、万が一連れてきてると大変なのでとりあえず診断書を持って大家さんの ところに行き、駆除の依頼をしました。 その時の大家さんの驚きよう。 「うちは過去40年間一度もバグが出たことはないのよ! なんてことをしてくれたの!」 すごい剣幕でしたがこっちも被害者ですし、こればかりは誰が悪いとも言えません。 ひょっとしたら隣のアパートから来たのかもしれないし、友達や郵便局員の人に くっついてきたのかもしれないのです。 最終的には大家さんも分かってくれて業者さんにお願いしてもらいました。 業者さんが来るまでの1週間、毎晩見えない恐怖との闘いで妻は心身共にとても辛そうでした。 除去の日は部屋中の荷物を一箇所にまとめ、業者さんがスプレーして落ち着くまで4時間は 外に出ていなくてはなりません。 それを1週間ごとに2回。 幸い現時点では連れてきていないようで、妻の症状も落ち着いてきました。 でもひょっとして…… この部屋の何処かで卵が孵りつつあるとしたら…… この事件の続編が出ないことを祈ります。 コメントの受け付けは終了しました。
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Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
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