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​​バンクーバー日記は2013年8月に62便にて終了いたしました。ご愛読いただきありがとうございました。
アメリカ・ウィスコンシンへと場所を移し、「マディソン日記」を連載中です。

第59便 病院2

4/29/2013

 
今度はスキー中に、不注意から転んで膝をケガしてしまいました。
家に帰って冷やしましたがかなり腫れていて、動かす事もできません。
すぐに保険会社に連絡して、病院を手配してもらいました。
僕らは海外旅行傷害保険に入っているので、怪我や病気の時はまず保険屋さんに連絡して
病院や通訳さんの手配をしてもらわなければなりません。
そこでかかった診療代や交通費などを出してもらうためです。
 
 
紹介された病院はダウンタウンにある病院で、診察とMRIを一日で受けられるというものでした。
予約をして次の日に病院へ。
そこでいろいろ手続きを済ませて診察室に呼ばれます。
 
 
……が、しかしそこからが長い長い……。
全くもってカナダの医療システムは日本の病院に慣れてる身にはイライラします。
まず先生をベッドで待つこと約一時間。
触診と問診、血液採取。
それが終わり「MRIが今日できるかどうかを聞いてくる」と言ったきり戻ってくるまでに約一時間。
結局今日はできない(できると言ったから予約したのに!)との事で次の予約を入れるまでに数十分。
日本なら20分ほどで終わることがここでは2時間半。
これでは通訳さんと世間話をしに来たようなもんです。
 
ちなみに看護師さんの白衣は白ではなく、赤青緑など、いろんな色があって
どうやって区別されているかは謎です。
また先生はいたってカジュアルで、というより完全に私服。
最初はこの人本当に先生か?と面食らいました。
 
話がそれましたが、もう一つの大きな違いはカナダの病院の場合、日本と違って
ひとつの病院で全部を診てくれるわけではありません。
まずウォークインクリニックというところで診てもらい、レントゲンが必要と先生が判断すると、
別の場所にあるレントゲン専門の病院を予約して行かなければなりません。
運がよければその日に撮れるし悪ければ後日。
そして結果が出るのに数日。
またその結果を聞きに行くのに数日。
その上で必要とあらば、外科や整形外科などを紹介してもらって後日またそこに行くというわけです。
検査が増えるとその分日にちもかかるので、最終的な診断がでるのに数週間から数ヶ月という事もざらだとか。
命に関わるケースでは例外的に早く診てもらえるようですが、それ以外のほとんどの患者は
その間に治ってしまうか悪化してしまうんじゃないでしょうか?
 
カナダの医療はレベルも高く、国民は基本的に医療費はかからないのでその点はとてもいいのですが、
その反面国民の税金で州によって運営されているために相手との競争がなく、
サービスやシステムがとても悪いという話もよく聞きます。
病院の数も少なくて手術待ちの人が溢れていると通訳の方はおっしゃってました。
医療レベルや制度は整っていてもシステムがうまく機能してないカナダより、
効率的で親切な日本の病院のほうが患者にとっては良さそうな気がします。
 
僕のケガですが、膝の皿が一カ所折れてる上に腱の一部が伸びてるとかで、
固定器具で8週間固定、もちろん松葉杖です。
ただこの類いのケガの中では比較的軽く、手術の必要もないというのでほっとしました。
ケガが大した事ないからか、途中から携帯をいじりながら診断の説明をする先生の態度にも、
この時ばかりは怒りよりも安堵感を覚えました。
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    Author

    池田 学(いけだ まなぶ)
    画家。1973年佐賀県多久市生まれ。98年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。2000年同大学院修士課程を修了。 2011年1月25日より1年間、文化庁の芸術家海外研修制度でカナダのバンクーバーに滞在。バンクーバーへは、奥さんと2歳の長女も同行。2012年3月に再渡航。2013年夏にはアメリカ・ウィスコンシン州マディソンに場所を移し、美術館で滞在制作を開始。

    『池田学画集1』 
    ミヅマアートギャラリーの作家紹介

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