最近は毎朝原発の状況を確認することが日課です。
本当に大丈夫なのか? 政府の発表を信じていいのか? 原発って本当に必要なのか? 東京に住んでた僕の夜のイメージは、 どこに行っても街灯があって コンビニと自動販売機が20メートルおきに並び、 やってもいない店にも明かりがともり、 誰が見るのかライトアップされた看板が光り…… たぶん普通に本が読めます。 それくらい無駄に明るい街。 もともと田舎が好きな僕はその夜の明るさが不自然で嫌でした。 海外に行くとその薄暗さにびっくりします。 たぶん東京と比べると、どこ行っても暗いと感じるんじゃないかな。 今日は僕のスタジオを紹介。
僕は文化庁の芸術家海外研修制度でカナダに来ているんですが、 この制度の条件として受け入れ先というものが必要になります。 要は僕という日本人を1年間受け入れてくれる機関。 僕の場合はそれが、エミリー・カー造形大学です。 ここで僕は招待作家という肩書で校舎の一部屋をスタジオとして貸してもらい、そこで制作をすることになっています。 そして与えられた部屋がこちら。 3. 11の震災以降、ずっと考えていました。
日本のこと。 これまでの日本。 日本のこれから。 そして自分には何が出来るのか。 皆がこの命題に取り組んでいるのが分かります。 各方面でいろいろな支援の輪が広がっています。 僕自身、いや、おそらく海外に住む日本人は皆、遠く離れた場所にいて、余震や放射能の 恐怖など全く関係ない生活をしていることが申し訳ないような、はがゆいような 気持ちで一杯だと思います。 僕も出来ることなら自分も日本に駆けつけて、支援活動をしたい。 ボランティアとして汗を流し、皆を励ましたい。 日本にいて、思いを共有してひとつになりたい。 ニューヨークはすごい!
噂には聞いていたけど、百聞は一見に如かずとはこの事! ゴミ、騒音、ビル、人、文字、色、におい、落書き、車、全てがごちゃごちゃで刺激的! これまでのバンクーバーの生活がウソみたい! 同じ都市でも、東京とは人間らしさというか人間臭さというか、そういうものにおいては 比べ物にならないくらい全てが人間丸出しで、見てて飽きない! 人の行き交う大通りで運転席のドアを開けて放尿してるおっさん! タクシーに乗ったはいいがドアの閉め方が分からずオロオロしてる観光客に「頭を使え!」とまくしたててる運転手! これでもかというほど店内を埋め尽くしている新作のスニーカー! 路上に散らばるゴミ! 壁一面のアート! 他の街ならNGでもここならOKという街の雰囲気に圧倒されて、都会が嫌いな僕らも気づけばニューヨークの虜に。 人間って面白いなぁ!と初めて思った街でした。 3月11日の地震以来、ニュースでもインターネットでも繰り返し流され続けるショッキングな映像、
そして日に日に明らかになっていく絶望的な被害の内容。 パソコンの前に釘付けになり、とめどなく溢れてくる情報にかじりついては不安を募らせ、 ただただ大変な事が起きてしまったという現実に、何もやる気が起きない日が続きました。 こんな時にアートなんてただの娯楽。 そんな娯楽よりも今は日本の為になるような何かを探すべきなんじゃないか……とか。 自分だけ国を出たことに申し訳なさを感じたり……とか。 雨の中、部屋に閉じこもって災害情報を聞いてても気が滅入るだけだからと外に出るが、 歩く人々は皆外国人。彼らはいつもの様に日常を送っている。 情報の渦の中に入り込み、気持ちが日本に飛んでしまっている僕には、ドアを開けたその先の世界がカナダであり、 目の前の風景には地震の面影などつゆほどもなく、ついさっきまで聞いていたあの惨劇はここでは遠い外国の話題 というギャップにかなり混乱し、はがゆさと同時にどうしようもない疎外感を覚えました。 バンクーバーに来て驚いたことの一つは雨でした。
毎日毎日雨が降ってるんです。 土砂降りはないものの、小雨が降ったり止んだり。 なんでもこの時期は雨期で、11月から3月くらいまではもうずっと雨なのだとか。 日本の梅雨とは比べ物にならないくらい降水量が多くて、記録では40日間降り続けた年もあったみたい。 そんなイメージなかったなぁ。 てっきり雪、もしくは薄曇りの空かと。 でもこの小雨というのが微妙で、傘を持っていくほどでもなさそうだし、かといって手ぶらで出たら絶対濡れるし…… それで街に出てみたら あれ? 誰も傘をさしていない。 さすがカナダ、国土も広いが物もでかい!
ということで今回は量について。 とにかくなんでも大盛り、超盛りです。 例えば肉。スーパーのパックぎゅうぎゅうに詰まってる! 日本の肉はどちらかというと少ない量を薄く伸ばす事で多く見せてるのに対し、こっちでは有り余る量を 入るだけ入れる!みたいな。こんなに苦しそうなラップを見た事がありません。 牛も豚も鶏もとにかくいっぱい入って大体5~10ドルくらい。中には3ドルなんてのも。 お惣菜もファーストフードもスタバ(シアトルが近いからか、東京のコンビニ並みによく見かけます)もすべて大盛り。 牛乳やジュースもどでかいボトルに入ってたりもして、人間の飼料みたいな錯覚に陥る事も。 因みに日本のお土産でカナダ人にすごく喜ばれるのは、カップラーメンのミニと、缶ビールの小さいやつ。 さすが日本、ここまで小さいか!と大笑いされるみたいですよ。 でかいといえば車もでかいですね! 最初に空港でリムジンをみて、さてはどっかのセレブが!と思ったのですが意外とよく見かける。 リムジン並みに長い車も沢山あって、ここではそんなに特別なものではないみたい。 でも最も驚いたのはゴミ収集車でした。 今僕が住んでる所はDavie Street という通りにある高層アパートです。
このアパートに決めた理由は、僕がベルリンの展覧会に行った時にカナダの方と知り合い、 偶然にもその人のお母さんがバンクーバーにいくつかアパートを持ってらして(!)、 友人ということで特別に安く貸してくださったからなんです。 縁とはほんとにありがたいものです。 その通りは飲食店やスーパー、家具屋さんなどが並ぶにぎやかな通りなんですが、 なぜかその中にいくつかアダルトショップ的なものがある。 しかも男同士で抱き合ってる看板や雑誌まで。 ほ~さすがカナダ、アダルトグッズもスーパー等と並び日用品扱いってことか…… と感心したりしてましたが、 あとから仕入れた情報によると、この通りはゲイの人たちが多く住むエリア、新宿3丁目みたいなとこだったのです! がぁ~ん!! 11日に起きた大地震、被災された方も大勢いらっしゃると思います。
また直接ではなくとも、両親や知人が被災地におられるなどして心配なさった方も多い事でしょう。 皆様のご無事と、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。 ここカナダでも地震の様子はリアルタイムで放映され続け、津波が車や家屋を呑み込みつつ 田んぼに押し寄せてくる映像が繰り返し流れていました。 その映像のあまりの衝撃に息が止まる思いでした。 日本から遠く離れた外国で、祖国が大災害に見舞われている映像を見るという事が、 これほど辛く、哀しい事だとは思いもよりませんでした。 自分は直接宮城や福島の街を訪れた事はないので、そこは本当は知らない土地なのだけれど、 呑まれていく車が、樹が、家が、田んぼが、自分が慣れ親しんだ日本そのもののように思えてならず、 日本全土が沈んでいくのを見ているようで、ただただ体が震え、茫然自失でした。 たぶん日本にいた時にはこのような気持ちにはならなかったと思う。 離れていることで、祖国への強い思いが自分にも眠っていたのだという事実にも衝撃を受けました。 |
Author池田 学(いけだ まなぶ) Archives
8月 2013
Categories |
Copyright © 羽鳥書店. All Rights Reserved.