2014年3月8日。 ようやく氷点下を脱し、0.5度まで気温が上がった朝9時。 女川中の体育館で吹奏楽部が『Time to Say Goodbye』の演奏を始めます。 第1回卒業式です。 大きな拍手が迎える中、胸にコサージュをつけた3年生67人が入場します。 卒業証書を手に席へ戻る智博君です。 答辞を読み上げるのは、女川中の初代生徒会長、竣哉君。 式直前にインフルエンザにかかって寝込み、ひと晩で書き上げた答辞は、こう始まります。 「覚えていますか? 私服で学校に登校していたあの日。まるこ山ホールに山と積まれた段ボールがあったあの頃。空の下に歌声が響いていたあの瞬間。そんな思い出を両手いっぱいに握りしめて駆け抜けた私たちの3年間が今日、終わろうとしています」 |
Author小野智美(おの さとみ) Archives
3月 2019
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